光へと向かう音楽

満月の今夜、久しぶりにベートーベンのピアノソナタ第31番の楽譜を開きました。学生時代にみっちり練習した思い出深い曲。弾いているとその頃の情景や気持ちが蘇ってきます。
それと同時に、その曲に対する自分の感覚が変化していることも感じられました。“弾く”ことによってその時々の自分の内面が映し出されるということ。楽譜を読み、作曲者の意図を理解していくプロセスは、自分が自分についてより深く知っていくということでもあると再認識しました。
今日はこの曲を弾いていて、光へと向かう高いレベルのエネルギーを感じました。人を励ますような曲は数あれど、ベートーベンの放つ輝きはやはり別格なのだと思います。
それは彼が本当の闇を体験したからこそ描くことができた光。そんな世界観を味わえることが私にとって“ピアノ”の醍醐味であり、最も興味深いところです。

-バレンボイムの演奏で-

Stella music space

音楽を通して個性という光を豊かに奏でる場所

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