ディリリとパリの時間旅行
偶然予告編を目にして、絶対に観に行きたいと思った映画。才能がひしめき合い、文化的な最盛期を迎えていたベルエポック時代のパリを舞台にした冒険物語。可愛らしくもこだわり抜かれた美しいアニメーションにうっとりさせられます。どこを切り取ってもハイセンス。それはパリという街そのものの魅力なのでしょう。子どもも楽しめる内容ですが、意外と辛口で風刺的な要素もあり、多様性や自由を認め合うことへのメッセージが明確に設定されています。
クラシック音楽に携わる者として嬉しいのは、ドビュッシーやサティといった1900年代初頭に活躍した作曲者が登場すること。そしてその周辺の画家や小説家といった文化人も多数登場し、理解を深めることができます。そしてそれぞれの人物の描き方が非常に粋なのです。また、フランス語の響きを聴くことと、フランス音楽の流れを感じることにも共通点があります。
クラシック音楽に触れる中で、楽譜から自分なりのイメージを膨らませることも大切ですが、時に視覚的要素から理解を深めていくことも有効です。自分の弾いている曲や知っている曲とその曲にまつわる文化的な背景に繋がりを見出だすことで、より深く学びが浸透するような気がします。生徒さんたちにも、是非1度観て頂きたいオススメの1本です。
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